コラーゲンを知る

縁の下の力持ち 吊り型コラーゲン

外敵からお肌を守る表皮

お肌はいくつかの皮膚層で成り立っていること、美容に関心の深い方なら、よくご存知でしょう。私たちが普段から欠かさずお手入れしているお肌の表面を覆っているのが表皮です。表皮は外からの様々なストレスからお肌を守ってくれています。表皮よりもお肌の深いところにある皮膚層を真皮といい、ここにコラーゲンは存在しています。

コラーゲンは、お肌のハリや潤いに欠かせない成分であり、そのなかでも目立たない場所で頑張っている働き者を”吊り型コラーゲン”と言います。吊り型コラーゲン(Ⅶ型コラーゲン)は、一体どこでどのように働いているのでしょうか?

吊り型コラーゲンは基底層で働いている

表皮と真皮をくっつけている基底層

お肌の構造は「表皮+真皮+皮下組織」です。表皮は外部刺激や有害物質からお肌を守っています。真皮はお肌の深いところにあり、大量のコラーゲンがヒアルロン酸や繊維芽細胞などを安定できるように支えています。真皮のコラーゲンが不足してくるとお肌に潤いがなくなり、シワやたるみの原因になります。

表皮と真皮の間にあって、表皮と真皮を接着しているのが基底層なのです。表皮は頭から足の先まであり、基底層は表皮の裏面に真皮をしっかり接着することで、真皮を吊り上げているのです。

基底層で働くのが吊り型(Ⅶ型)コラーゲン

基底層で表皮と真皮をくっつける接着剤の役目を果たしている成分こそ吊り型コラーゲンです。吊り型コラーゲンがなければ真皮は表皮に密着できず下に沈んでいきます。吊り型コラーゲンの減少や劣化は、たるみの大きな原因になるのです。

お肌のハリ、ターンオーバーをコントロール

また表皮の様々な組織を支え、表皮と真皮の間の情報交換の役目も果たしています。表皮の老廃物を真皮の方に落とし込んだり、真皮から表皮へ栄養を取り込んだりして肌のターンオーバーをコントロールしています。

毛穴の開きも基底層ダメージによるもの

基底層がダメージを受けると、お肌のターンオーバーが狂い始めて、お肌のきめが粗くなったり固くなったりします。大きく毛穴が目立ち始めるのも基底層のダメージが大きな要因です。

吊り型(Ⅶ型)コラーゲンを破壊するもの

紫外線はお肌を攻撃する?

紫外線によるお肌のダメージ吊り型コラーゲンはお肌の表面に近い基底層で、表皮と真皮を接着する役目をしています。吊り型コラーゲンが十分にあって、しかもダメージを受けていないお肌はターンオーバーがきちんと守られていて健康なお肌です。
ところが、吊り型コラーゲンは加齢とともに減少してなお且つ、もろくなってしまいます。

老化や体のサビで吊り型コラーゲンは減少……

ひと言で加齢といっても、具体的には様々な要因があります。酸化は体のサビといわれるもので、酸化による老廃物は加齢とともにお肌に蓄積されて体じゅうの様々な部分にダメージを与えます。糖化は体の焦げといわれるもので酸化物と同じく加齢とともに老廃物がたまり老化現象を起こします。

紫外線も天敵です

もう一つ人間が生きている間は、その害を避けられないものがあります。それが紫外線です。紫外線は非常に強い光線でお肌や目などに悪影響を与えています。太陽光が強いオーストラリアなどでは紫外線による皮膚がんが大きな問題になっています。

紫外線の種類

紫外線はUVA、UVB、UVCの三種類あります。UVAは窓ガラスを通過するほど強力な紫外線で、真皮まで届いて真皮のコラーゲンを破壊します。UVBは窓ガラスを通過するほどの強さはないものの、肌の表皮にダメージをあたえます。UVCは従来はオゾン層を通過できないため私たちが浴びることはないと考えられています。

私たちは、紫外線からお肌を守るために日焼け止めを塗ります。日焼けどめはUVAとUVBに対応していますが、なぜか日焼け止めを塗っていても日焼けしてしまうことがあります。それは、ディープ紫外線のせいなんです。ディープ紫外線とは、UVAの中の特に波長が長い光線で、肌の奥深くに入り込み、基底層や真皮にまで到達します。

紫外線を浴びるとタンパク質が分解される?

基底層は比較的肌の表面近くにあるので紫外線の直撃をうけます。そのため、基底層にあるコラーゲンは、ほかのコラーゲンに比べて紫外線による劣化が特に激しいのです。紫外線を浴びた時に急激にタンパク質分解酵素が分泌されて、その酵素が基底層にある吊り型コラーゲンを切断してしまうんです。

また、基底層には吊り型コラーゲンの他にグリコサミノグリカンと呼ばれる成分があります。そして、別の酵素がこの成分を切断してしまうのです。

基底層の大切な吊り型コラーゲンとグリコサモニグリカンが二つの酵素によって分解されるために基底層の老化は一気に進んでしまいます。

マンゴスチンとカノコソウが基底層を救う!

「マンゴスチン樹皮エキス」が、吊り型コラーゲンの敵を撃退!

マンゴスチンはタンパク質分解酵素を弱める働きがある紫外線を浴びると、基底層では吊り型コラーゲンを細かく切断してしまう、タンパク質分解酵素が分泌されます。

このタンパク質分解酵素の力を弱めてしまうのが「マンゴースチン樹皮エキス」です。マンゴスチンは果物の女王と呼ばれる東南アジア原産の果物です。このマンゴスチンの樹皮エキスが、吊り型コラーゲンを分解する酵素の力を弱めてくれるのです。

「カノコソウ」がグリコサモニグリカンを守る!

基底層のもう一つの重要な成分であるグリコサモニカグリカンを守るのは、カノコソウエキスです。カノコソウはもともとはリラックス効果のある生薬として使われていました。そのカノコソウのエキスが基底層の保護に役立つのです。

吊り型コラーゲンは再生できる?

マンゴスチン樹皮エキスで吊り型コラーゲンが分解されてしまうのを防止し、カノコソウエキスでグリコサモニカグリカンが劣化するのを防止することで、吊り型コラーゲンの再生に成功した化粧品会社があります。それが私たちもよく知っている資生堂です。カノコソウエキスやマンゴスチン樹皮エキスの働きを見つけ出したもの資生堂です。

この画期的な開発のおかげで、私たちのお肌の老化の速度がグンと抑えられることになりました。

 

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